学部1,2年の間に図書館で借りた本を振り返る

弊学図書館のホームページでは自分の利用状況のページでこれまで借りた本の履歴が見られることをご存じだろうか。

 

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これまで大学で過ごした2年間、僕はたまに図書館で本を借りており、どうやら累計貸出件数は71件らしい。この2年間は731日であったことを考えるとこれは少ないように思える。さらに、まだ確認はしていないが恐らく同じ本を複数回に渡り借りた場合重複して記録されているだろうし、借りたまま読まずに返した本、現在借りていてまだ読んでいない本もかなりあるので実際に読んだ本はこの半分以下だと予想している。

 

とりあえず入学時から順に、記憶にある本に限って振り返りをしようと思う。(カッコ内は貸出日である。)

 

1.毒の科学(2019/04/26)

夏ごろまでは医学や脳科学に関連する本をよく読んでいた気がする。一年生の頃は通常通り通学していたこともあり、気になる本は図書館で読んでそのまま返すことも多かったためリストに載っていない本も多いが、この本はなかなか分厚く図書館ではとても読み通せなかったので借りて読んだ。後に教養ゼミで自分の好きなものについてプレゼンをすることになり、特に好きなものが思い浮かばなかったので大部分をこの本の内容から引っ張ってきて毒に関するプレゼンをした。この本は毒に関する歴史的な話から始まる。魔女狩りで罪に問われた魔女たちには薬草の知識に長けた女性が多く、彼女たちが近代薬学の発展に大きく貢献した、というような記述が印象に残っている。中でも僕の印象に最も残っている毒杯を仰いだソクラテスの最期に関する記述を引用して次の本に移る。(確か本筋ではない話だが)

 

あのお方(ソクラテス様)はあちこち歩きまわっていられましたが、やがて脚が重たくなったと言われて、仰向けに休まれました。すると、毒を手渡した男(獄卒)は、あのお方のお身体に触り、暫くしてから足先や脛のほうを調べ、それから足の先を強く押して、感じがあるかとたずねました。


「ない」とあの方は答えられました。

つぎに、また脛に同じことをし、こうしてだんだん上にあがっていって、しだいに冷たくなり硬くなってゆくのを、ぼくたちに示しました。そして、もう一度触ってみて、これが心臓まできたらおしまいです、といいました。

 

2.事件から見た毒(2019/05/15),

3.社会のなかに潜む毒物(2019/05/15

教養ゼミで毒について発表することにした時に毒の科学に加えて借りた。

カレーは味が濃くて毒物の味を隠しやすいから毒殺によく使われるらしい。和歌山毒物カレー事件は有名だろう。 

 

4.自殺の心理学(2019/06/04

借りたけど思案橋(総合科学部と工学部をつなぐ橋)の下のベンチで全て読み切ってしまってすぐに返却した。

内容はタイトルの通り。印象に残っているのは自殺率は子供が一番低く高齢者が一番高いということ。高齢者は孤独になるなどして自殺を決意することが多いだけでなく、体が弱っているため若者と同じ方法で自殺を図っても生き残らないことが多いらしい。若い層の死因の第一位が自殺であることがよく問題視されているが、高齢者はもっと死んでいる。また、子供の自殺に対する考えについて書かれていた部分も面白かった。小学生が画びょうを飲み込む事故があった。周囲の大人は当初、ただの好奇心か何かだろうと考えたがよくよく本人に話を聞くとその子は学校でいじめられ、希死念慮を抱いて画びょうを飲み込めば死ねると信じ切って行動に移したようで、これはれっきとした自殺未遂であった。というような話だ。子供との関わり方を考えさせられた。

 

5.無意識の構造(2019/06/04

ユング心理学の考え方を通して自我について考える、みたいな感じだったはず。難しくてあまり理解できなかった。

 

6.退屈なことはPythonにやらせよう(2019/06/04

授業外でプログラミングをしたのは確かこれが初めてで、三日間授業終わりに図書館でこれを読んでレポート課題の半自動化プログラムを作った。当時は負担が軽減されて結構嬉しかったが、かなり酷い出来なので今ではもう動かない。

 

7.世にも奇妙な人体実験の歴史(2019/06/05

麻酔や薬、ビタミン剤、病原菌、ウィルス、寄生虫放射線など、現在の科学では当たり前のように扱われているものを解明するため、医学の発展に自分の身を捧げた知的好奇心の塊の科学者(マッドサイエンティスト)たちがいかに苦労して作り出したかというエピソードが全17章に渡り詰まった本。科学者たちが自ら寄生虫を体内に入れたり病原菌を打ったり患者の嘔吐物を摂取したり意図的に漂流してプランクトンで命を繋いだりした話が載っている。

医学の歴史の本は好きでこれ以外にも色々読んだが昔の医学はかなり狂気に支えられていて面白い。特に外科の歴史。(ロバートリストンの死亡率300%の手術はそれなりに有名だろう)

 

8.英語喉50のメソッド(2019/06/24

知名度は低いしなんとも胡散臭いけれど英語の発音の日本語教材ではこれが一番良い気がしている。英語発音専門ドクターDイングリッシュというYoutubeチャンネルでも喉の重要性はよく強調されている。この本の著者は確か純ジャパだったと思うが、発音は本当にネイティブレベル(というかアジアのネイティブ英語話者よりもずっとアメリカ英語は上手い)である。が、なんとなく読み進められず貸出期間を延長してはまた借りて延長してはまた借りて...を繰り返して現在でも全然読めていない。

個人的には英会話発音矯正アプリELSAの方が好み。

 

9.アイデアのちから(2019/06/24

世の中の素晴らしいアイデアやストーリーは全て「単純明快で、意外性があり、具体的であり、信頼でき、感情を揺さぶり、物語性がある」というもの。個人的に、成功している人や物の共通点を取り出すだけで、その結果に至るために必要であった深い思考や工夫を扱わないのはあまり意味がないという考えなので、ほーんそうかそうか、という感想。

 

10.秘密基地の作り方(2019/07/01

タイトルでわくわくして借りたが正直期待外れだった。椅子を二つ並べたところに布をかぶせるなど、家の中でいかにして秘密基地気分を味わうか、みたいな感じのがたくさん書かれている。幼いころに自分の家の狭いスペースに座布団や布団を持ち込んで秘密基地ごっこをしていたことがあったので懐かしい気持ちにはなった。

 

11.機械学習入門 : ボルツマン機械学習から深層学習まで2019/07/01

ボルツマン機械学習を中心に、イラストを使って機械学習の仕組みをわかりやすく解説してくれる本。面白くてサタケメモリアルホール前のベンチで一気に読んだ。読んでから知ったが、ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 大賞2018で大賞に選ばれているらしい。

この本のシリーズの続きであるPythonで機械学習入門: 深層学習から敵対的生成ネットワークまでは図書館に無かったので僕が購入依頼をして大学に購入して頂いた。あれは結局序盤しか読んでないや。

 

12. アルゴリズム図鑑 : 絵で見てわかる26のアルゴリズム2019/07/05

アルゴリズムが絵で見てわかる。たのしい。

 

13. 123人の家2019/08/05

名前の通り123人の家の写真が載ってる分厚い本。工学部のデイリーヤマザキ前でさらっと眺めた。建築やインテリアが好きな人にとっては面白いかもしれない。

 

14. 脳には妙なクセがある2019/08/05

損をすると分かっていても宝くじを買ってしまう、楽しくなくても笑顔を作ると楽しくなるといった脳の不思議な性質が解説されている。池谷先生の本なのだが、脳科学分野で面白いなと思った本の多くは池谷先生が書かれているので凄い。

 

15. 脳科学は人格を変えられるか?(2019/09/17

文章が専門的で難しい。楽観的な人間は幸福で悲観的だと成功しない、という著者の信念が繰り返し記述され、悲観的な人間が楽観的な人間に変わるにはどうしたらいいか等が書かれている。元々は海外の本なのだが、Rainy Brain, Sunny Brainという原題がわりと好き。

 

16. アルゴリズムイントロダクション(2019/10/02

全然読めてないから中身とかあんまり知らないけど昔からアルゴリズムと言えばこの本、という感じではあるのだろうか。読みたい気持ちだけはあるんだけど分厚さに心が折れてしまう。

 

17. 青年の生と死との間 : 出会いへの軌跡から(2019/11/30

全然有名な本じゃないが中央図書館の書庫をブラブラ歩いてたらたまたま見つけて衝撃を受けた本。京都大学でカウンセラーをしていた方のもとに相談に訪れた自殺に駆り立てられた13人の青年との臨床記録。自殺既遂者、自殺未遂者、自殺を思いとどまった者、それぞれの物語が記されていて色々と考えさせられた。(色々考えさせられた、以上に薄い感想も無いと思うが。)永遠のモラトリアム、というフレーズがなんとなく頭に残っている。

 

18. 哲学用語図鑑(2019/11/30

哲学の本を何度か読もうとしたが全く理解できず挫折した。(この本の前後にもいくつか哲学の本を借りているが何一つ内容を覚えていない。)せめて用語だけでも、と思ったけれど用語の説明だけじゃ哲学への理解は全く深まらなかった。現在も哲学に関する本は時々手に取るが理解できずにいる。

 

19. 日本の反知性主義(2020/04/09

東大の二次試験で扱われた本。「反知性」とは何か。などが書かれている。

東大入試で扱われる文章は面白いのが多く、ランダムに良書を引きたいときは参考になるかもしれないが、個人的にはこの本はあまり面白くなかったように感じた。

 

20. 線形回帰分析(2020/08/04

線形モデルの授業の教科書。6000円以上するのに買え買え言われるし結局全然いらなかったしなんなんだ。

 

21. コンピュータはなぜ動くのか(2020/08/04

市内に行く途中に電車で読んだ。コンピュータに関する初心者向け、だそうだが回路図、プログラム、アルゴリズム、データ構造、データベース、ネットワーク、暗号化、XMLなどが扱われており完全な初心者には難しいだろうと思ったがシリーズ全体として良いと思う。(初心者が何言ってるんだ。)

 

22. 電話はなぜつながるのか(2020/09/14

なぜシリーズ。ネットワークについていっぱい知れるのかなーと思ったらめっちゃ電話の話をされてそれから記憶がない。

 

23. 情報はなぜビットなのか(2020/08/04

なぜシリーズ。はい。

 

24. Webを支える技術(2020/09/14

【転職エントリ】Googleに入社します|Lillian|note

この記事に出てきて存在を知り、結構じっくり読んだのだが理解が浅いためもう一度読みたいなと思っている。REST推しが凄かった。

 

25. アルゴリズムとデータ構造(2020/09/28

アルゴリズムとデータ構造の授業の教科書。(申し訳程度の検索除けのために著者名を書かないがその授業の先生の本。)これ買ってねって言われたけど配布資料に教科書の内容そのまま書かれてたから別にいらなかったしなんなんだほんとに。

 

26. 一般化線形モデル入門(2020/10/23

一般化線形モデルの授業の教科書。教科書の内容はスライドに書かれてあったし、課題は教科書のページで指示されることがあったが周りの誰かが教科書を借りてたら問題ない。確か英語版のPDFはネットに落ちてたはず。

 

27. 問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造(2020/11/12

いわゆるけんちょん本というやつ。僕が購入依頼を出したのだが、やはり人気なのか借りた後にすぐに次の予約者が出たため貸出延長できずDPのところまでしか読めないまま返却してそれっきり。

 

28. コンピュータシステムの理論と実装(2021/01/26

俗に言うnand2tetris。実はあんまり詳しく知らないけど雑に言うとコンピュータを作るらしい。これも僕が購入依頼を出したもの。届いたのが期末試験直前で、試験が終わってさて読もうと思ったら次の予約者が居て泣く泣く返却した。今も予約していて返却を待っているが、購入依頼出したんだからもう少し優先してくれたって...という気持ちを少し抱いてしまう。

 

29. 色彩 : カラーコーディネーター入門(2021/02/02

配色のことを知りたいなと思って借りた。カラーコーディネーター検定の教科書らしい。配色に関する部分をさらっと読むだけなら別にいいのだが、教科書では学術的、工業的な話も載ってあり、副教科が苦手だった僕はこれを覚えなければいけないカラーコーディネーター検定は大変だなと思った。

 

30. 日本人の9割が知らない遺伝の真実(2021/02/05

めっっっっっっちゃおもしろい。これを読んでからしばらく本の内容が頭から離れずにいる。行動遺伝学の観点から主に教育の在り方などについて説いている本。行動遺伝学の研究結果などの紹介しながらも語り掛けるような文章で読みやすい。胡散臭いタイトルだがその点については本を開いてすぐ説明される。以下のツイートにてこの本に載っている表が見られる。

 

31. 東大入試に学ぶロジカルライティング(2021/02/15

東大の学部の二次試験及び東大の法科大学院の入試で扱われた問題と問題へのアプローチが載っている。問いへの答え方や文章の書き方が分かるのも面白いが、入試問題がたくさん載っていてどれも問題の文章自体が面白いので読んで損はしない。

 

32. 理科系の作文技術(2021/02/15

古い本だが先生たちは結構この本を参考にしている気がするから一読したらいいと思う。

 

 

 

 

借りた本はこれくらいなようだ。人の評判を聞いて本を読み始めたのはごく最近なので前半は自分しか興味が無さそうな本ばかりだ。これだけの本を自分で購入しようとすると金額が馬鹿にならないので大学の図書館には本当に感謝している。

最後に一言。

 

 

 

 

みんなもっと新規購入依頼出してくれ~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!